日本麻フェスティバルやらなんやら

 来る1028日と29日、麻と所縁の深い徳島県の吉野川で第10回目、吉野川では2回目となる「日本麻フェスティバル」が開催される。このイベントは日本一の麻の産地、栃木県を本拠に全国に会員を持つ一般社団法人 日本麻振興会と共に今回は一般社団法人阿波忌部麁服(あらたえ)保存会の共催で開催され、日本全国から麻の伝統文化に関わる団体や関心の高い人々が結集する日本の麻の一大イベントだ。

 ところで、表に裏にさまざまな呼び方のあるのが大麻。定義の問題はさておき、いろんな呼び方があるのも大麻の多様性を表していると勝手に好意的に解釈しているのだけれども、繊維関係に関しては「麻は良いよねぇ」と言われて大麻であることは意外と少ない。「この服も麻100%🎵」と言われると100%大麻ではない。なぜなら「家庭用品品質表示法」で大麻は麻ではないと規定されているからだ。大麻の場合は「植物繊維(大麻)」や「植物繊維(ヘンプ)」のように表示される。

 大麻は麻ではないとすると、「じゃ、何が麻だよ」という話になるけれども、とりあえず、リネン(亜麻)とラミー(苧麻)は麻だ。とりあえず、その他の「麻」に分類される20種類近くの繊維は「植物繊維」の部類だ。大麻取締法では現在も法改正後も大麻の茎と種は大麻ではない。そして家庭用品品質表示法では大麻は麻ではない。うん、面倒くさい。大麻は麻であって麻ではないけれども古来より麻といえば大麻だったりもする複雑な植物でもあり、狭義では麻といえば大麻であり、広義では植物の繊維由来のものは麻だったりする。

 そして広義の麻の中で良く名前を聞くものとしてはマニラ麻やサイザル麻なんかがあるけど、マニラはフィリピンの首都。そしてサイザルはメキシコの港の名前だ。ジュートの語源はもつれた髪説と共にジュート人説もあったりするのだけれども、生産国に関する名前のものが多々ある。日本における大麻はというと、太平洋戦争及び第二次世界大戦前の日本企業パンフレットなどを見るとマニラ麻やサイザル麻と並んで、大麻=野州麻であったりもするから野州麻という名前は大麻の総称でもあり、大麻といえば野州麻というブランド力の高いものだったのだろう。

 野州麻、恐るべし。とはいえ、それは国内及び国内流通の話だ。大麻の名称について、近年ではさまざまな小さな論争が勃発してきた。「ヘンプと大麻は違う」とか、「タイマではなくオオアサと呼ぼう」とか、「マリファナと大麻は別物」とか、、、数え上げればキリがないが、それらを踏まえて一言で言うなら日本の大麻は日本麻だ。いわゆる精麻は日本が世界に誇る黄金色に光り輝く繊維であり、海外ではゴールデンヘンプとして名前を知られるようになってきた。日本麻=ジャパンゴールデンヘンプ=JAPAN GOLDEN HEMP =精麻で良いのではないのだろうか。そして、日本麻の中に野州麻があり、岩島麻や伊勢麻などの各地の地名などのついた精麻があると考えればスッキリする。

 大麻の名称は植物全体の名前だしね、その中で繊維やら医療やら嗜好などなどさまざまな用途に使われる。大麻は全体の総称だ。大麻=ヘンプでもなければ大麻=マリファナでもないし。まぁ、便宜的にヘンプとかマリファナって区別を繊維用途と嗜好用途の区別として使っちゃうこともあるんだけど、そこはもう少し熟考しつつ、世界に向けて発信するのは「日本麻=ジャパンゴールデンヘンプ=JAPAN GOLDEN HEMP =精麻」っていう感じで進めていこうと僕自身は考えている。

 さて、さっそく手順ミスからスタートした臨時国会。手順ミスだけで済めば良いけど。たかが大麻、されど大麻で、手順の問題だけでなく、しっかり話し合ってより良い法案にして欲しいが、議員さん、中身って精査してるんだろうか?これから国会では大麻取締法が改正される。そして102829日は日本麻フェスティバル。続く11月上旬にはカナコン 2023 https://journey.cbdbu.jp/)、東京国際カンナビス映画祭(https://ticff.jp/)、さらに11月下旬には第二回目となるAsia International Hemp Expo & Forum 2023https://www.asiahempexpo.com/)など麻関連の動きが目白押しだ。

 

松浦 良樹〈Matsumura Yoshiki〉プロフィール

 環境問題や自然エネルギー、伝統文化などをメインテリトリーとするライターとして様々な媒体に執筆。
 NPO法人日本麻協会理事などを務め、2016年7月に理事・長岡 沼隆とともに国立京都国際会館で開催された「第1回 世界麻環境フォーラム」(別名「京都ヘンプフォーラム」)と呼ばれる「IHEF(International Hemp Environmental Forum)」の初イベントを開催した。このイベントには、世界中から麻の専門家や産業家の他、安倍昭恵総理夫人(当時)、京都市長、京都最古の神社である上賀茂神社宮司をはじめ、大麻に理解のあるメンバーが広く参加した。
 また、蚊帳研究家として蚊帳の歴史や文化の研究に努めるとともに、ヘンプ100%の藍染の蚊帳やヘンプストロー、ヘンプフィルター、ヘンプなどの衣食に関わる大麻アイテムの開発に携わり、普及活動を続けている。
 2019年ネパールで開催された「ASIA HEMP SUMMIT」において「大麻と蚊帳の博物館の創設」「日本の祈りに関連した大麻」に向けた企画で起業家賞を受賞。大麻の専門店「麻草屋」代表でもある。
 また、タイ王国バンコクで開催された「アジア国際ヘンプエキスポ 2022 」では二大パビリオンのひとつ「golden hemp pavilion」の責任者を務めた。
 2023年、青淵渋沢栄一翁顕彰会〈士魂商才〉賞を受賞。