理不尽VS理不尽のパワーゲーム

8月8日は葉っぱの日。そしてどうやらCBDの日でもあるらしい。とりあえずめでたい。

それはそうとホントにいろいろある。特に日本とタイ。急展開。10月とか年内とか間に合うのかしら。間に合わなくても良いから改めてゆっくり話し合いを進めれば良いんだけど。

なんだかんだで決め方が結構なんだかんだで理不尽というかなんというか、科学でも化学でもましてや医療でもない、って言っちゃうと語弊があるんだろうけど、政治というか政局というか、なんていうのかなぁ。まぁ、とにかく理不尽。誰かが「こうしたいなぁ」とか、「こうしとけばいいんじゃね」くらいで決めて、「こう言っとけばいいいでしょ」くらいの理屈付けしてるとしか思えない理不尽さ、、、からの、理不尽には理不尽で、そしてそこに手順と段取りで装飾してるように思うぞ、日本は段取り良く、タイはグチャっと。だからこそ法は必要なんだな、きっと。法はアクセルにもブレーキにもなる。それに、ちょこっと数字いじるなりなんなりするだけで経済的に、あるいは命を救われる人が増えるんだからしっかり話し合いを進めて欲しいところだ。命とか健康とか暮らしって大事だと思うんだけど。無駄に利権やら逮捕者増やしてる場合じゃ無いよね。

それはそうと、大麻やTHCを悪者にしてCBD販売していた〈優良企業〉はTHCを限りなくゼロにしたい厚労省の方針とは合致してるんだから反対理由はないし、喜んで良いくらい。その上で、THCが少しでも入ってた方が医療効果が高まるのはエビデンスあるんだし、使用者のことを考えて厚労省とTHC濃度についてギリギリの攻防をしていたCBD企業もある。今の状況もそうだ。なんなら全草利用の方が東洋というか漢方というかなんか日本っぽいし、考えてはいるんだろうけど現在のCBD業界には無理な話なんだろうなぁ。業界再編成というより新業界になっちゃう方向は誰が得をするんだろう。

とはいえ、なんだかんだでそれぞれ諸事情はあるんだろうし、どんだけ理路整然と理屈付けても、日本もタイも「神の声」とか「鶴の一声」とか「王様の一声」とかで変わっちゃうんだから、社会を構築するシステムはまだまだ矛盾だらけで王政も共和政も民主主義も共産主義も、人がなんとか作り出したシステムはまだまだ改善の余地があるまま、結局は金なり権力なりなんなりの〈力〉を持った人たちが法も政治も社会も作っちゃう部分があるんだなぁ、と改めて感じちゃってる次第です。

システムも大事だけど人も大事で、人とシステムのバランスでいき過ぎないようになってるんだなぁ、一応。風が吹けば桶屋が儲かるでは無いけれども、いろんな思惑や活動が想像を超えてなんとなく実を結ぶんだから誤解を恐れずにいえば面白い。まぁ、それはそれで手柄の取り合いやらなんやら法の行く末も人の思惑や動きもあって目的やゴールがなんだかわからなくなりそうだけど、必要な人に必要なものが必要分、適正価格で届くようになれば良いよね。今のままじゃ夢物語だけど。

と、日本においてはたまたま政治家を動かせる人が命とお金の両面でCBDや大麻に大きな関心を持っていたってのが改めて成分基準などの話し合いが進められてる原動力として大きいから、これをロビー活動っていうならロビー活動の成果ともいえるし、署名活動やらなんやらも裏付けにはなってるしね。あ、タイも同じようなもんか。とにかく思惑と想いが繋がるとなんだか強い。政治家も厚労省もこれまでの段取りや話し合いや積み重ねが台無しになるくらいにバタバタだ。特に厚労省やら一緒に進めたり乗っかってた人たち大丈夫なんだろうか、といらない心配もしちゃうけど、これまで通りきっと何事もなかったかのようにサラッと流しちゃうんだろうなぁ。

そして、そんなこんなの土壇場ドタバタのご都合主義も決して悪いことではなく、日本もタイもそれなりにバランスがとれたカタチに落ち着くのだから、西洋的価値観のご都合主義のダブルスタンダードよりは日本もタイも「まぁまぁ」主義というか〈なぁなぁ〉主義というか、なんとなく行き過ぎない感じでその時の時代や社会、雰囲気をなんとなく取り入れながら、できる限り血の流れない方向で、何重にもクリアしなきゃいけない壁がある中でゆっくりと決まっていく、意外と良いシステムの中で大きな成功も大きな失敗もなく、ぐだぐだっとそれなりに良い社会なのかもしれない、あくまで最大公約数的にはね。

まぁ、時に長いものに巻かれすぎちゃうところはあるけど、声の小さな人が生きやすい国、っていうか居場所がもっとあるといいいよね。大麻だけで生きていけるわけではないけど、大麻はさまざまなことの象徴でもある。大麻でさまざまな話し合いがおこなわれて、議論になり、話題になることは良いこと。紆余曲折を経ながら理解は進んでいく。あっ、繊維と種についても問題山積みなんだけど、CBD関連と違って置き去りだな。

ということで、行くたび、帰って来るたびに状況が変わりつつ、何かしら方向性が見えてきた日本とタイなのでした。たかが大麻、されど大麻なのです。

松浦 良樹〈Matsumura Yoshiki〉プロフィール

 1970年生まれ。環境問題や自然エネルギー、伝統文化などをメインテリトリーとするライターとして『AFF』『GQJAPAN』『環境ビジネス』『Earth Journal』など様々な媒体に執筆。大麻関連媒体では『HEMP LIFE』『HEMP TODAY JAPAN』など。

NPO法人日本麻協会理事などを務め、20167月に理事長(当時)・沼隆とともに国立京都国際会館で開催された「第1 世界麻環境フォーラム」(別名「京都ヘンプフォーラム」)と呼ばれる「IHEFInternational Hemp Environmental Forum)」の初イベントを開催した。このイベントには世界中から大麻の専門家や産業家の他、日本からは安倍昭恵総理夫人(当時)、京都市長、京都最古の神社である上賀茂神社宮司をはじめ、大麻に理解のあるメンバーが広く参加した。

また、蚊帳研究家として蚊帳の歴史や文化の研究に努めるとともに、ヘンプ100%の藍染の蚊帳やヘンプストロー、ヘンプフィルター、その他、衣食住に関わる大麻アイテムの開発に携わり、普及活動を続けている。

 

2019年ネパールで開催された「ASIA HEMP SUMMIT」において「大麻と蚊帳の博物館の創設」「日本の祈りに関連した大麻」に向けた企画で起業家賞を受賞。

また、タイ王国バンコクで開催された「アジア国際ヘンプエキスポ 2022 」では二大パビリオンのひとつ「golden  hemp  pavilion」の責任者を務めた。

2023年、青淵渋沢栄一翁顕彰会〈士魂商才〉賞を受賞。

アジア国際ヘンプEXPO2023では日本サイドの責任者として二つのブースとメインステージでのパフォーマンスをプロデュースした。

 

現在、日本の基層文化である大麻の普及と啓蒙やタイと日本を結ぶ活動などを展開中。

2024年、本居宣長の宮〈特別賞〉を受賞。