生命と健康と東京都知事選挙

     ざっくり多くの人にとって、目の前に救える命があるなら、救う手段があるなら、まぁ、なんとなく理屈抜きにできうる手段を尽くしたい、と考えちゃうのはまぁ、なんとなくそういうもんだけど、その中で自分の立ち位置やら利害やらまぁ、なんやらで躊躇しちゃったりすることが往々にあるものだ。

 大麻あれば症状落ち着くのになぁ、CBDあれば少しは改善するのになぁ、ちょこっとで良いからTHC入ってた方がより良いのになぁ、なんなら全草利用ならさらに良いのになぁ、、、でも法に触れちゃうしなぁ、本人の理解あるかなぁ、身内の理解あるかなぁ、なんなら親戚とかの理解はあるかなぁ、、、想いはあってもそこまで関われないよなぁ、、、でも、、、しかし、、、なんて思考の堂々巡りもはじまる。

 さて、CBDの普及に一役買った出来事のひとつにてんかんの女の子の症状が劇的に改善した、シャーロットちゃんの話しがあったりするんだけど、その時は生産者らや親御さんたちの子供を救いたいという必死さが行政を動かして大きな動きへとなった。翻って日本はどうだろう。10月には新法が施行される感じで動いているけど、現状CBDでなんとかなってる子がいるのに、そのCBDを使えなくしちゃうって。仮に違法になったとしても、それでも苦しむ子供を見たくない親は法を破ってでも使いたくなっちゃうよね、きっと。そう考えると現状として問題のないものを違法にしてあえて犯罪者作り出す法改正ってなんだろうね。厚労省や国の役割ってそんなんだったっけね。

 今の広い意味でのCBD業界が健全かというと問題が無いわけではまったくないし、そもそも医薬品や麻薬にしなくてもなんなら自家栽培自家消費の全草利用が1番コスト安いし効果が高いと思うんだけどね。違法だけど。経済的負担っていうのは徐々に効いてくる猛毒。現在流通してるCBDと承認薬とどっちが良いんだろうか。効果効能やらコスト面も含めて考えなきゃならないところだ。そんな右往左往は精神的負担にもなるしね。新法の施行にあたってのパブリックコメントは今月中。CBD事業者や大麻関係者や厚労省の利害ということだけでなく苦しんでる人がいることを念頭に決めて欲しいよね。

 もうひとつ、政治面。7月7日投票の東京都知事選が20日にスタート。候補の一人が大麻容認を打ち出してる。右だ左だ、保守だ革新だ、原発の考え方が、とかより政策面での理解ってどうなんだろうね。全部の考え方が同じじゃなきゃ応援できないなら自分で選挙出るしかなくなるけど。そして政治家や政治家を志す人が大麻は票にならないって思ったらきっともう誰も言わなくなっちゃうよね。だって大麻だよ。危険で麻薬でアンタッチャブルなダメ絶対な大麻だよ。あえて公約になんかするわけがない。リスキーすぎる。大麻って言わなきゃもっと票が伸びたのに、大麻って言わなきゃ票入れたのにって言われちゃうのと大麻って言えば票が入るって思われるのとどっちがこの先に繋がっていくんだろう。

 政治なんて信用しないっていうのも一理ある。とはいえいわゆるみんな大麻のことわかってるとか、分かる人には分かるとか分かってない人が多すぎるとか言うなら、理解のない人、迫害してくると考えられる人たちに対して一票という一言いえる権利を放棄するのはもったいないなぁ、今後に繋がらないよなぁと思うのは僕だけなのかなぁ。

 たかが大麻、されど大麻なんだけどね。

 

 

 

松浦 良樹〈Matsumura Yoshiki〉プロフィール

 1970年生まれ。環境問題や自然エネルギー、伝統文化などをメインテリトリーとするライターとして『AFF』『GQJAPAN』『環境ビジネス』『Earth Journal』など様々な媒体に執筆。大麻関連媒体では『HEMP LIFE』『HEMP TODAY JAPAN』など。

 NPO法人日本麻協会理事などを務め、20167月に理事・沼隆とともに国立京都国際会館で開催された「第1 世界麻環境フォーラム」(別名「京都ヘンプフォーラム」)と呼ばれる「IHEFInternational Hemp Environmental Forum)」の初イベントを開催した。このイベントには、世界中から大麻の専門家や産業家の他、安倍昭恵総理夫人(当時)、京都市長、京都最古の神社である上賀茂神社宮司をはじめ、大麻に理解のあるメンバーが広く参加した。

 また、蚊帳研究家として蚊帳の歴史や文化の研究に努めるとともに、ヘンプ100%の藍染の蚊帳やヘンプストロー、ヘンプフィルター、その他、衣食住に関わる大麻アイテムの開発に携わり、普及活動を続けている。

 2019年ネパールで開催された「ASIA HEMP SUMMIT」において「大麻と蚊帳の博物館の創設」「日本の祈りに関連した大麻」に向けた企画で起業家賞を受賞。

 また、タイ王国バンコクで開催された「アジア国際ヘンプエキスポ 2022 」では二大パビリオンのひとつ「golden  hemp  pavilion」の責任者を務めた。

 2023年、青淵渋沢栄一翁顕彰会〈士魂商才〉賞を受賞。

 アジア国際ヘンプEXPO2023では日本サイドの責任者として二つのブースとメインステージでのパフォーマンスをプロデュースした。

 

現在、日本の基層文化である大麻の普及と啓蒙やタイと日本を結ぶ活動などを展開中。