9月の終わりもまだまだ熱い

新法の施行は12月12日と発表はされたけど、なんだかんだで来週もひとつの山場かもしれない。まぁ、誰が総理大臣になるか次第でいろいろとまた大麻をめぐる情勢が変わってくる可能性はゼロではない。大麻について寛容で、話し合えよって言ってた安倍さんの流れを汲む高市早苗さんのバックアップは〈選挙の神様〉で大麻に理解の深くて新法をあんまりよく思っていない藤川さん。その他の政策に賛否はあるだろうが大麻について焦点を絞れば、高市さんで何かが変わる可能性はある。なんだかんだで小泉さんが総理かもしれないし、石破さんかもしれないし、永田町界隈はどんなことになるのか蓋を開けるまでわからないけど、さてさてどうなるやら。

そもそも厚労省が10月施行を目指していた流れで、施行後を視野にした国際大会も来週には予定されていて国内外の専門家が集う。さらにそれとは別枠で新法に疑問を持って来日するのは世界的な権威のルッソさん一行。議員会館で講演が予定されてる。彼の持つ医学的なエビデンスに対抗しうる理屈を厚労省は出せるんだろうか。ご意見は伺いましたとガン無視するか日本と海外の社会背景や政治状況は違うということで乗り切るのかなぁ。なんにしろ世界中から大麻の専門家が日本に集い、そして日本の状況を世界が知ることになる。世界各国から見たらどう映ってどんな反応が待ち受けているのだろう。

法案成立後、1年以内に施行ってことで決められてるから本当のギリギリまでということで12月12日なんだろうけど、付帯事項には2年後、すなわちもう一年延ばそうと思えば延ばせることも書いてあったりするから、こじつけでもなんでも良いからもう一年延ばしてじっくり議論する猶予をつくっても良いんじゃなかなぁ。まだまだ運用方法グダグダなんだし。

とりあえず施行してとりあえず運用して、問題点は5年後にっていうくらいなら、施行前にわかってる問題点についてもう少し議論してみれば良いのになぁ、と思ったりしないんだろうか。まぁ、グダグダがグダグダになって、なし崩し的に非犯罪化まで持っていく算段なら凄いけど、そんな感じは微塵もなくただただ取り締まり強化にも思えるし、農水省が種の品種登録やらなんやら動いてはいるけど、基本の法律がしっかりしてなきゃ意味がない。施行後を見据えた免許取得に向けた動きも日本各地で活発になってきてるし、しっかりと枠組み決めないと一種免許で繊維や種を考えている人や企業も二種免許で医療寄りに考えてる人や企業も混乱してしまうし、気付かぬうちに法を破っちゃう可能性だってある。やれることとやれないこと、やれる範囲、やれない範囲をもう少し明確にしていかないと怖くて参入したくてもできない人や企業も出てくるだろうし、現在のCBD業界、大麻業界も進退極まる。

パブリックコメントももうすぐ締切だけど見切り発車にはならないことを望む。大麻容認を打ち出したトランプさんが大統領になっちゃたりしたらまたいろいろ変わってくるんだろうか。

たかが大麻、されど大麻。伝統でも産業でも医療でも嗜好でもいろんな意見がまだまだある。

 

 

松浦良樹〈Matsumura Yoshiki〉プロフィール

 1970年生まれ。環境問題や自然エネルギー、伝統文化などをメインテリトリーとするライターとして『AFF』『GQJAPAN』『環境ビジネス』『Earth Journal』など様々な媒体に執筆。大麻関連媒体では『HEMP LIFE』『HEMP TODAY JAPAN』など。

NPO法人日本麻協会理事などを務め、20167月に理事長(当時)・沼隆とともに国立京都国際会館で開催された「第1 世界麻環境フォーラム」(別名「京都ヘンプフォーラム」)と呼ばれる「IHEFInternational Hemp Environmental Forum)」の初イベントを開催した。このイベントには世界中から大麻の専門家や産業家の他、日本からは安倍昭恵総理夫人(当時)、京都市長、京都最古の神社である上賀茂神社宮司をはじめ、大麻に理解のあるメンバーが広く参加した。

また、蚊帳研究家として蚊帳の歴史や文化の研究に努めるとともに、ヘンプ100%の藍染の蚊帳やヘンプストロー、ヘンプフィルター、その他、衣食住に関わる大麻アイテムの開発に携わり、普及活動を続けている。

 

2019年ネパールで開催された「ASIA HEMP SUMMIT」において「大麻と蚊帳の博物館の創設」「日本の祈りに関連した大麻」に向けた企画で起業家賞を受賞。

また、タイ王国バンコクで開催された「アジア国際ヘンプエキスポ 2022 」では二大パビリオンのひとつ「golden  hemp  pavilion」の責任者を務めた。

2023年、青淵渋沢栄一翁顕彰会〈士魂商才〉賞を受賞。

アジア国際ヘンプEXPO2023では日本サイドの責任者として二つのブースとメインステージでのパフォーマンスをプロデュースした。

 

現在、日本の基層文化である大麻の普及と啓蒙やタイと日本を結ぶ活動などを展開中。

2024年、本居宣長の宮〈特別賞〉を受賞。