5月17日には『ボブ・マーリー：ONE LOVE』が公開される。歌を聴くまで何故かボブ・マーリーを女性だと思い込んでいたのは、きっと脳内変換でジャニスジョプリンと混ざって記憶されていたんだと思うようにしている。なんだかよくわからない変わり目というか混乱の時期というのはある。日にちを1日間間違えたのも、なんだかよくわからない変わり目というか混乱の時期だからに違いない、きっと、多分。
それはともかく、もはや笑い話の類だが、4月20日には大麻合法化の発言を続けていたラスノブ氏が逮捕、4月22日にはレゲエミュージシャンのRYO the SKYWALKER、4月26日には大麻グミの製造元の社長、その間にも現職警察官逮捕などなどをはじめ、ニュースで大麻関連の悪い一面としてのニュースが溢れる中で、アメリカからのニュースは大麻をコデインなどの一部の解熱鎮痛剤やステロイドなどと同じ「スケジュール3」に変更というもので、これは経済にも波及してアメリカの大麻関連企業の株価が急上昇した。
かたや日本では法改正し厳しくなる一方で、かたやアメリカでは規制緩和が著しい。４月19日に閣下こと田母神俊雄氏が「もうそろそろ大麻の薬物指定を解除してもいいのではないか。」とXで投稿して炎上したのも絶妙のタイミングだった。逮捕が続けば続くほど、なんだか世界の情勢と比べて残念な気持ちになるが、比べても仕方のないことで、現在の法律に基づいた逮捕や年内には施行されるであろう新法律に向けた逮捕などなどが続く変わり目というか混乱の時期なのだろう。
アメリカのスケジュール変更は州法の変更に拍車がかかり、それは連邦法の変更にも繋がる。そしてその変化はWHOにも影響を及ぼすに違いない。そしてWHOの基準が変われば、国際法に準拠する日本の法律としては、「ダメ、ぜったい」の根拠をひとつ失うことになる。日本の薬物政策はうまくいっている、世界に合わす必要はないという根拠は残るのだろうが、薬物としての危険レベルを下げたのがアメリカであり、規制の根拠は薄くなりつつあるんじゃないかなぁ。
ところで、Yahooニュースのエキスパートでは〈大麻の一種である「アヘン」〉というなんだかアヘン戦争にかこつけてなんだかよくわからない情報も出てるし、なんだかよくわからない変わり目というか混乱の時期というのはある。
とりあえず、新しい法律は今年中に施行されるんだろうし、施行前のさまざまな動きは水面下でも水面上でも進んでいるけれども、なんだかよくわからない変わり目というか混乱の時期なのだろう。
混乱は混乱を生み出す。きっと、なんだかよくわからない変わり目というか混乱の時期なのだろう。
とはいえ、というか幸い、というか、５年後の法律の見直しも新法律に書かれた決定事項。難しいとは思うが、思い切った見直しも検討しても良いのかもしれない。
たかが大麻、されど大麻だ。
松浦 良樹〈Matsumura Yoshiki〉プロフィール
1970年生まれ。環境問題や自然エネルギー、伝統文化などをメインテリトリーとするライターとして『AFF』『GQJAPAN』『環境ビジネス』『Earth Journal』など様々な媒体に執筆。大麻関連媒体では『HEMP LIFE』『HEMP TODAY JAPAN』など。
NPO法人日本麻協会理事などを務め、2016年7月に理事・岡沼隆とともに国立京都国際会館で開催された「第1回 世界麻環境フォーラム」（別名「京都ヘンプフォーラム」）と呼ばれる「IHEF（International Hemp Environmental Forum）」の初イベントを開催した。このイベントには、世界中から大麻の専門家や産業家の他、安倍昭恵総理夫人（当時）、京都市長、京都最古の神社である上賀茂神社宮司をはじめ、大麻に理解のあるメンバーが広く参加した。
また、蚊帳研究家として蚊帳の歴史や文化の研究に努めるとともに、ヘンプ100%の藍染の蚊帳やヘンプストロー、ヘンプフィルター、その他、衣食住に関わる大麻アイテムの開発に携わり、普及活動を続けている。
2019年ネパールで開催された「ASIA HEMP SUMMIT」において「大麻と蚊帳の博物館の創設」「日本の祈りに関連した大麻」に向けた企画で起業家賞を受賞。
また、タイ王国バンコクで開催された「アジア国際ヘンプエキスポ 2022 」では二大パビリオンのひとつ「golden hemp pavilion」の責任者を務めた。
2023年、青淵渋沢栄一翁顕彰会〈士魂商才〉賞を受賞。
アジア国際ヘンプEXPO2023では日本サイドの責任者として二つのブースとメインステージでのパフォーマンスをプロデュースした。
現在、日本の基層文化である大麻の普及と啓蒙やタイと日本を結ぶ活動などを展開中。